連想記憶モデルの記憶容量や想起過程を解析することは、そのモデルの特 性を知る上で重要な研究である。 統計神経力学は Amari & Maginu(1988)によって提案され、ネットワークの想起過程を記述すること ができる理論である。 この Amari-Maginu理論はネットワークの現在時刻の状態を考慮するため、 この理論を一次近似の理論と呼ぶ。 方程式の導出は比較的容易であり、ネットワークの定性的な性質を表すこと ができる。
さらに、Okada(1995) は (n-1)時刻前までの状態を考慮する理論を提案した。 この理論をn次近似の理論と呼ぶ。 この高次近似理論はネットワークの性質をほぼ定量的に表すことができる。
統計神経力学ではネットワークの状態は、いくつかの巨視的変数で表され、 ネットワークのダイナミクスはそれらの方程式で表される。
オーバラップ(overlap)は、記
憶パターン
とネットワークの状態
の重なりを表すパラメータである。